皆様もご存じの通り、日産は今、経営の重大な岐路に立たされています。2024年9月までの半年間で営業利益が90%も減少し、存続期間はわずか12〜14か月と報じられています。先日、ホンダとの合併交渉が終了した直後、株価は6.3%下落し、市場価値は103.4億ドルと、ホンダの4分の1に満たない状態です。日産にとっては、財務的に頼れるパートナーがどうしても必要です。その候補の一つが、フォックスコンです。現在のフォックスコンの価値は、日産の10倍以上に及びます。
フォックスコンは、自動車メーカーにおいてもアップルのような低コスト組立の提供を目指しています。2024年10月には、新しいEV「リファレンスモデル」を発表する予定です。このモデルは、自動車メーカーが基にして独自の仕様で販売できるものです。しかし、フォックスコンの目的は株の購入にとどまらず、協力関係の構築にあります。劉揚社長もその考えを明確にしており、この点が重要です。
フォックスコンの自動車ビジネスモデルは、既に台湾の自動車メーカーLuxgenで成功を収めています。しかし、日産への出資は、世界的に広がる自動車設計と製造スキルへのアクセスを意味します。競争が激しく、低利益モデルが多いこの分野で、フォックスコンとの連携は自動車メーカーに有利な点を提供します。しかし、日産がその存在意義を明確にしない限り、フォックスコンの資金力だけでは問題を解決できない可能性もあります。
日産は、生き残るためにフォックスコンとの連携を模索しています。フォックスコンの技術力と資金力は日産にとって大きな助けとなるでしょう。しかし、日産が自らの存在意義を再定義することが、最も重要な課題となるでしょう。