ポルシェが提案する新時代の六行程エンジン

皆様、ポルシェが提案する六行程エンジンについてご紹介いたします。通常、六行程エンジンの特許は単なる興味本位で終わることが多いですが、これがポルシェの手に掛かれば話は別です。一般的な四行程エンジンはクランクシャフトが2回転するごとに1回の出力行程ですが、ポルシェの六行程エンジンはクランクが3回転する間に2回の出力行程を実現します。その仕組みは一見謎に満ちていますが、今回はその詳細に迫っていきたいと思います。

七サイクルを持つ六行程

ポルシェの六行程エンジンは、吸気、圧縮、燃焼、排気という4つの基本行程に加え、追加の圧縮と出力行程を含めることで、合計1080度の燃焼サイクルを作り出しています。約500度の回転時にピストンがシリンダーの側面ポートを開き、排気と次なる圧縮行程用の空気充填を行うのが特徴です。

特許図によると、クランクシャフトの機構によりピストンの行程が調節可能で、83ミリから118ミリの範囲で変化します。また、ピストンが最も長い行程に達したときのみ開く、シリンダー底部近くの特殊なポートも存在します。

独特のプロセス

通常の吸気、圧縮、燃焼行程に加えて、可変ストローク（83ミリから118ミリ）を有するのが本エンジンの特徴です。このポートを介して圧縮された空気を流し（おそらくターボチャージャーを使用）、残りの排気ガスを排出して新鮮な空気を充填します。この掃気サイクルはわずか17ミリの行程で速やかに完了する必要があります。

新鮮な空気で満たされたシリンダーは118ミリの圧縮行程で燃料を噴射し、続いて101ミリの通常の燃焼行程と83ミリの排気行程を行い、六行程と三回転のサイクルを完成させます。

効率は未知数

このエンジンはクランク3回転の間に2つの燃焼行程を持ちますが、2つ目の燃焼行程が短い掃気期間の後にどれほど効率的かは不明です。ポルシェがこの六行程エンジンに関する詳細を公開しない限り、このコンセプトは興味深い試みとして受け取られることでしょう。

  

要約

ポルシェの六行程エンジン特許は、その複雑なメカニズムと独特のサイクルによって大いに興味を引きますが、その効率性や実用性についてはまだ多くの謎が残されています。現時点では、これが単なるアイディアとして留まるか、それとも実用化へとつながるのか、期待が高まっています。